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H_Case3

Thyroid; Papillary carcinoma, columnar cell variant.

50代男性,甲状腺(手術材料)

 


<診断アプローチ>

1)    組織像のポイント: 

a)      構造的所見; 

正常組織との境界; 不明.

組織構造; 既存構造の消失+乳頭状および管状構造.濾胞構造はない.

細胞密度/分布; 細胞密度は高く,細胞分布は不規則.

b)    細胞的所見; 

分化; 腺系上皮細胞.強い核の偽重層化,核下空胞.

異型性; クロマチン増大と核形不整を伴う細胞異型.高頻度の核分裂像

2)    総論的推定: 

a)    細胞由来; 腺系上皮細胞由来.

b)    細胞増殖性; 不規則で強い増殖.

c)    a)+b)からの推定; 腺細胞由来悪性腫瘍.

d)    各論的推定: 

強い核の偽重層化を伴う上皮の乳頭状構造や核下空胞に示される“blastic”な所見より,

乳頭癌の亜型である円柱細胞型が示唆される.

e)    鑑別診断

転移性腫瘍; 濾胞構造がまったくない場合は,TgTTF1などの免疫染色によって鑑別を行う.

<最終診断>

Thyroid Papillary carcinoma, columnar cell variant.

<解説>

Papillary carcinoma, columnar cell variantEvansらによって最初に報告された予後不良の甲状腺濾胞上皮由来の悪性腫瘍である.WHOではpapillary carcinomaの亜型として分類されているが,核所見が乳頭癌の核所見と異なることや予後が悪いことより,乳頭癌の亜型とすることに異論を唱える立場もある.乳頭状構造のみならず,管状や敷石状構造を呈するが,コロイドを含むような濾胞構造は乏しい.細胞は特徴的で,核の偽重層化が目立ち,大腸腺癌の類似する.多くの細胞にスリガラス状核は認めない.また,核下空胞などのいわゆる“blastoma”様の所見がみられることがある.Tall cell variantとの移行を認めたという報告があり,両者が混同されることがあるが,予後の観点から区別する必要がある.

 

 


和歌山県立医科大学人体病理学教室

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