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C_Case9

Urine; Non-invasive papillary urothelial carcinoma, low grade (G1)

70代男性,尿(自然尿)

 


<診断アプローチ>

1)    細胞像のポイント: 

a)    構造的所見; 

構造; 孤在性パターン 

細胞密度/分布; 出現細胞数は軽度から中程度.

b)    細胞的所見; 

分化; 中心核,淡明な細胞質

異型性; 軽度核腫大およびのN/C比軽度増大,核形不整軽度,クロマチン軽度増量,

細胞間多彩性軽度で単調な出現パターン.

c)    背景; 清澄性.

2)    総論的推定: 

a)    細胞由来; 上皮性(尿路上皮由来)

b)    細胞増殖性; ほぼ規則的で軽度の強さの細胞増殖性病変.

c)    細胞異型; 軽度

d)病変の構築; 細胞性

以上より,低異型度尿路上皮癌あるいは反応性異型尿路上皮

3)    各論的推定: 

a)    推定疾患; Low grade papillary urothelial carcinoma

b)    診断基準;

  i) 主診断基準 
  @ 軽度不規則分布を示す平坦な細胞集団.

    A N/C比増大,クロマチン増加,立体核形不整の全てが揃う

     孤在性細胞の存在.
  B 細胞核の腫大は軽度(小型核)で,好中球の1.5倍以下.
  C クロマチンの異常増量はない.
  B 偏在性核.

    C 細胞異型は軽度の多彩性がみられる基本的には単調.
ii) 副診断基準

  @ 細胞に腺細胞や扁平上皮への分化が明らかでない.

    A 核小体は目立たない
  B 
細胞質の淡明さ

4)    鑑別診断

反応性異型; むしろ細胞間の多彩性が目立つ.細胞質は厚いあるいは空胞を伴う.

 

<最終診断>

Urine; Non-invasive papillary urothelial carcinoma, low grade (G1).

  *診断クルー: 淡明な細胞質をもつ軽度異型細胞が孤在性かつ単調に出現
          している場合は低異型度の乳頭状尿路上皮癌が疑われる.

和歌山県立医科大学人体病理学教室

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